![]() ■DS:「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー」 SQUARE ENIX/KOTU-KOTU 「ドラクエ」のモンスターを育成・配合して最強パーティを作り、 様々な世界を冒険する「ドラクエモンスターズ」シリーズがDSに登場。 ワイヤレス通信はもちろん、Wi-Fiコネクションで全国のプレイヤーと 対戦プレイを楽しむことが出来るようになった。 「ドラゴンクエストモンスターズ」はゲームボーイで発売されたRPGで、 人間ではなくモンスターを仲間にして戦うスピンオフタイトルである。 企画としては「ポケットモンスター」の成功に乗じたものであるが、 育成と配合を繰り返して仲間モンスターを鍛え上げていく面白さは、 「ポケモン」というよりATLUSの「真・女神転生」的であり、 そこに「ドラクエ」という大看板が乗っかったことで人気が爆発。 1作目「テリーのワンダーランド」は、200万本を超える大ヒットとなった。 ---[ やっぱDSで3Dマップは厳しい ]--- まず、見た目が大きく変わっている。 「ドラゴンクエストVIII」の完成度に、シリーズを統括している 堀井雄二氏が大変な感銘を受けたようで、本作でもDSの性能を 最大限まで引き出したフル3Dのゲームに生まれ変わっている。 DSにしては頑張っていると言えるが、綺麗な映像ではない。 背景もショボいしテクスチャもギザギザで、非常に印象が悪い。 ただ、キャラクターモデルには相当な気を使ったようで、 登場人物からモンスターに至るまで、鳥山明のイラストを 忠実に再現してあるところは、さすがと評するべきだろう。 ただ、やはりDSにはアナログスティックもないし、 この手の3Dゲームが遊びやすい環境にあるとは言えない。 Bボタンで視点をリセットできたり、キャラの移動中も 微妙にカメラを調整するなど、細かな配慮は見えるのだが、 とてもフォローし切れているとは言い難いものがある。 マップの3D化に伴い、エンカウント方式もこれまでと違い、 モンスターの姿が見えているシンボルタイプに変わっている。 これは「ドラクエVIII」でもやって欲しいという要望のあった スタイルなのだが、主人公とモンスターの移動速度が同じなので、 ぶつかろうと思っても、なかなか追いつけないことがあるなど、 作り込みの甘さがストレスになってしまっている。 ---[ 無理はしてるが価値ある進化を遂げた戦闘シーン ]--- 戦闘シーンも同様、「ドラクエVIII」のデザインを踏襲している。 敵モンスターと仲間モンスターが対峙している映像は、 「モンスターズ」のファンとしては非常に感慨深いものがあるが、 やはりDSということで無理をしているのか、テンポが悪い。 現在のスタイルになってから、戦闘のテンポが悪くなったという 声を耳にすることはあったが、更に悪くなってしまっている。 ROM媒体ではないので、読み込みで待たされることはないのだが、 攻撃モーションが無駄に長いモンスターがいたり、 変なところで待ち時間が発生するなど、全体的にもっさりしている。 戦闘シーンからフィールド画面へ戻るまでの時間も長く、 全体的にイマイチな印象が拭えない。 モンスタースカウトのシステムも練り込み不足の感が否めず、 スカウトの成功率がモンスターの攻撃力に依存してしまっているため、 特に序盤は、防御力の弱い仲間ばかりになってしまいがちである。 仲間集めが、これまでのような運頼みにならなくていい分、 画期的で面白いシステムだと感じるだけに、なんとも勿体無い。 ただ、これまで再現されることがなかったモンスターの特殊能力、 例えば「キラーマシン」の2回攻撃などが、仲間になった後も しっかり反映されるようになったことは非常に大きい。 過去のシリーズを見ても、この一点だけは解決しようのない 問題だっただけに、多少の遊びにくさを考慮したとしても、 戦闘スタイルに関しては価値ある進化を遂げたと評価したいところだ。 ---[ 全てを台無しにした粗悪なゲームバランス ]--- しかしながら、上に挙げた不満など、実は大したことではない。 これらの不満を大いなるストレス源としてしまっているのが、 とにかく粗悪なゲームバランスである。 今回はボリュームが短いせいか、難易度の上がり方が激しい。 それは別に構わないのだが、見返りとなる経験値が異常に少なく、 なかなか仲間モンスターが育ってくれず、「VIII」から持ってきた スキルシステムも、まるで活かされていない。 特に序盤は、配合が可能になる10レベルまで育成するのも一苦労で、 結果、倒しやすいモンスターと何度も何度も戦うことになるし、 1エリアにいる魔物の種類も多くないので、レベル上げの作業も退屈である。 配合が出来るようになっても、レベルが上がりにくいので成長が実感し辛く、 そこへ来て、上に挙げた3Dマップやテンポの悪い戦闘が、 これらの作業を非常に苦痛なものに変えてしまっていて、 このシリーズ最大の魅力であるモンスター育成の面白さを、 完全に殺してしまっている。 ---[ ただ面倒臭いだけの駄作 ]--- インターフェイスも劣悪で、特に操作まわりの環境は最悪。 カーソル移動も反応が鈍く、コマンド入力が気持ち良くないし、 スキルシステムや武器装備などの管理要素が増えているにも関わらず、 そこが快適に遊べないというだけで、ゲームの印象は良くない。 移動手段も限られていて、特に「ルーラ」が初期のドラクエ仕様 (最後にセーブしたポイントに戻るだけで場所が指定できない) なのは大いに問題で、移動がとにかく手間で面倒臭い。 メインとなる移動用の乗り物が水上バイクというのもどうなんだろう。 「ドラクエ」って中世ヨーロッパ風の世界観だから良いのに・・・。 堀井雄二、鳥山明、すぎやまこういちの黄金トリオが参加した、 という触れ込みで発売された本作だが、内容を見てみるに、 あまりの出来の悪さに、堀井氏が後からテコ入れした事実を 売り文句にしただけなんじゃないかという気がしてならない。 鳥山明らしからぬスタイリッシュなキャラクターデザインも、 スクエニの絵師がデザインしたものを、鳥山明が清書しただけなのかも。 そんなことを邪推させるほど酷い出来。 価値ある進化はあったけど、駄目なもんは駄目。 評価:★★★★★☆☆☆☆☆ [ 5点 ] [ 攻略サイト:ドラクエっと!! ] |
| << 前記事(2009/01/06) | トップへ | 後記事(2009/01/12)>> |